【第一章】おわりに

2004-02-07

おわりに

以上の国の国語政策の流れを見ると、最も新しい答申である「これからの時代に求められる国語力について」が、それ以前の答申や法律の制定を念頭においていることがわかる。これは、時間系列的にもそういえるところであるが、それゆえに各々の答申や法律の目的が異なることから生じる曖昧さも感じられる。
答申「新しい時代における教養教育の在り方について」は、「教養」を身につけるうえで国語(力)が重要だといい、答申「文化を大切にする社会の構築について」は、「文化を大切にする心を育てる」うえで国語(力)が重要だといっている。いずれも呼びかける対象者は無限である。すなわち、日本国民に向かって呼びかけている。
これらにたいして、答申「これからの時代に求められる国語力について」は、まさに学校教育を念頭においており、国語力をつけるには国語科の授業の充実と読書活動の推進の二つを取り上げている。読書については、それが国語力の養成にそんなに決め手となるのかは、読書論との関係および国語力とは何かという問題との関係で議論の余地があるが、「子どもの読書活動の推進に関する法律」を援軍とみなしていることは疑いない。この法律を実施するための国および地方公共団体の基本計画では、学校図書館の整備充実が大きな柱となっていることも、この答申のバックボーンとなっているようだ。ただし、先にも触れたがこの法律の狙いは別なところにあるも留意しておくべきだろう。
さて、以上では「国語はどういう意味で、また、どういう場面で重要なのか」ということについて、最近の各種の国の答申その他を通じて国の考えを探ってきた。この国の考えに対して、現場を担当しているわれわれ教師はどのような評価をすべきだろうか。
ただし、このことは国語力の基礎基本とは何かとか、国語(力)の構造をどのようにとらえるべきかとか、さらには国語科で何を教えるのか、といったことと切り離しては考えられないだろう。さらには、入学試験と国語というやっかいな問題もある。次回はこれらのことについて考えてみたい

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