あなたは、「学ぶ」(勉強する)ということは、どんなことだと思っていますか。

テストでよい点数を取ること、成績を上げること、入試に合格すること、といったように思っている人が多いのではないでしょうか。

それらの考えが間違っているわけではありません。毎日の生活の中で漠然と過ごしていると、ついつい目先のことにとらわれてしまいますからね。

でも、ここで観点を少し変えて考えてみましょう。

もちろんあなたは生後1歳前後から3歳ごろまでのことを記憶していませんが、周囲にその年齢の幼児がいたら注意深く観察してみてください。幼児がどのようにして言葉や知識を獲得してゆくのかがよくわかります。

犬を見てワンワンと言えたときのあのうれしそうな表情。すべり台で初めてすべったときのあの驚きと喜びの笑顔。この幼児はいままで未知の世界にあったものを、確実に自分のものにできたのです。

そして、いま獲得した知識、経験などを土台にして1日1日、いや1時間1時間、新たな世界を獲得していっているのです。

思い出してください、あなたが小学校に入学したころのこと。

「はな」というひらがなから、「花」という漢字を覚えてゆく段階で、あなたの心の中には何か言い表しようのない充足感が生まれていたに違いありません。1+2=3とか3-2=1という式にしても、式それ自体がとても新鮮で崇高なものに感じられたはずです。それは新しい文化に触れた感動なのです。中学校に入学して初めて英語に接した時の感動と喜びも同様です。

4月のI like basketball.から始まり、3月のThe number of sea turtles is decreasing.で終わる1年間の授業の中で、それまでの日本人から確実に世界市民への第1歩を踏み出しているのです。

いまでもあなたは毎日学ぶことによって、毎日新しい自分に変わりつつあるのです。

このように、「学ぶ」ということは、「変わる」ということなのです。

「変わる」ということは、言い換えますと、自分が変わり、世界が変わるということなのです。受動的・消極的姿勢(「○」の姿勢)から能動的・積極的姿勢(「?」の姿勢)に転換するともっともっとあなたは変わります。ですから、いまの自分を新しい自分へと積極的に「変身」させましょう!