ところで、なぜ親は子どもを塾にやるのでしょうか。

それは、高校入試への不安からだと思われます。

しかし、そんなに不安になる必要があるのでしょうか。

まず、ここで、永年の私たちの経験に基づいて、千葉県公立高校入試の現状を概略してみます。

(1)出題範囲 ━ 小・中学校で使用されている教科書の範囲内。
(2)出題内容 ━ 中学の各学年で学習する基本事項が中心。
(3)出題比率 ━ 各学年ともほぼ等しい比率(約3分の1ずつ)で出題されている。

この3つの概略は、中学1年と2年の範囲を完全に理解していれば、各教科とも約70点(5教科で350点)は得点可能だということを意味すると同時に、このままの学力で受験できる公立高校はいくらでもあるということをも意味します。

次に、ここで最も大事なことは、中学校の教科がわかるためには、小学校5・6年の範囲をきちんと理解しておくことが大切だということです。

中学校で学習する国語・数学は、小学校で学習したことを前提にして組み立てられていますから、小学校の復習はやりません。従って、小学校の範囲をつまずいたままで中学校へ進めば、なかなか授業についていくことは困難です。

特に、小学校5・6年で習う算数の分数・小数・割合・比といった箇所は大事です。そのためには、4年生(とくに後半)の範囲がきちんとできていることが必要になります。

このことから極論すれば、小学校段階でつまずき気味の子どもは、中学校になってから人並みに塾に通わせるよりは、こどもがつまずいたなと親が気付いたときにすぐ塾に通わせた方が、よく理解できるし、効果もあるということです。

そして、小学校の基礎ができてさえいれば、中学校は塾に頼らずとも一人でのりきれる可能性が大きいのです。

 

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